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2009.05.22(Fri)
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東洋経済のキヤノンとニコンのカメラ製造に関する対比記事

Nikon F6 一眼レフカメラ
ちょっと前に読んで衝撃を受けたのが経済雑誌「東洋経済」のオンラインサイト「東洋経済オンライン」に掲載されたキヤノンのカメラ製造の内情を晒した記事。

昔は個人のWebサイトでキヤノンの銀塩フラッグシップ「EOS-1V」の不具合(確かシャッター幕かストッパーが融解するという内容だった。こちらのページよりももっと衝撃的な内容だった気がする)を読んだことはあるけど、大手雑誌メディアが表立ってここまでキヤノン批判をするのは珍しいのではないだろうか?

キヤノンの一眼レフで不良事故が多発する理由、製造請負依存の死角(上)
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/523d7307d7465dc8c5293f541b6a0e3c/


キヤノンの一眼レフで不良事故が多発する理由、製造請負依存の死角(下)
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/44dfb22fc8e7ad2fba4e5ebd41f5e9fb/


埃が舞うクリーンルームとか小火とかありえない。最近のキヤノン製一眼デジタルカメラの不具率の上昇の原因を、製造請負に頼った製造体制、キヤノン本体が製造現場へのコントトール、マネージメントを失ってしまっていることに求めている。徹底した製造コスト削減が、結果的に製品の検品・検査の品質を下げることになり、最終的には完成品のカメラの品質まで下げてしまっているという悪循環だ。

詳しくは上記の記事を読んで欲しいけど、デジカメ情報をいち早く届けるブログ「デジカメinfo」さんのこちらこちらの記事にサマリーがまとまっていて分かりやすい。

工業製品である以上は、一定率で不良品が発生するのは仕方ない。特にカメラは、シャッター幕や絞り制御といった機械部分と、光信号を電機信号に変換し画像データを生成したり、内部メモリや外部メモリーに書き込み、露出を制御したりというソフトウェア部分があり、もはや「カメラ」というよりは「小型コンピュータ」というべき代物になっている。

製造工程が複雑化するだけではなく、おのずと検査項目も増えることとなり、製造工程の一工程である検査工程のコストも増す結果になってしまっている。

営利企業である以上はコスト削減して利益を追求するのは当然ではあるものの、品質を反故にしてしまっては元も子もなく、ひいては企業に対する信頼も失墜してしまう。

キヤノンの記事がアップされた後に、公開されたのがニコンのタイ工場からニコンの製造体性を紹介した記事。

ニコン製カメラを支えるタイ工場、現地社員も共有する品質重視のベクトル
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/d4c7dd49d114e55034ba9c0094a2d68a/


タイのアユタヤ工場は、ニコンの中級機以下のカメラやレンズを作っていることは有名ですが、徹底した品質重視の製造体制、検査体制と、技術者の意気込み、そこで蓄積されたノウハウと経験を積んだ経験者が、今では日本の製造現場にも反映されて、やがてはアユタヤ工場で高級機、高級レンズの製造もするのではという内容です。

こちらも「デジカメinfo」さんのの「ニコンは採算よりも性能を最優先するDNAが骨の髄までしみついている」という記事が分かりやすいです。

対比して読むと東洋経済はキヤノンに厳しく、ニコンに対しては好意的と言えるかもしれないです。ニコン製のカメラでも不具合は出ていますしね。

ただ、表面的な対比だけではなくて、製造現場の対比を見ると物造りに対する企業精神の違いが垣間見れて興味深いです。
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タグ(ブログ内検索もできます)カメラ キヤノン ニコン nikon 東洋経済

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