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2009.11.20(Fri)
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【レビュー】冷却性は十分!けど巨大な筐体が個人的に課題、Lian Liのアルミケース「Try PC-X500B」

Lian LiのPCケース「Try PC-X500B」
前回のエントリーではLian Liのアルミケース「Try PC-X500B」の外観・内部構造を主に紹介しましたが、やっとマザーボードや電源等のパーツの組み込みが終わりました。振り返ってみると組みやすいケースだと思いますが、少々ケーブルの取り回し・配線にコツが必要だったりします。

PCパーツを組み込む過程で「Try PC-X500B」の特徴や組む上でのコツみたいなところに触れつつ、最後に簡単にレビューをしてみます。

Lian LiのPCケース「Try PC-X500B」の説明書「Try PC-X500B」に付属しているネジやケーブル、ネジケース
「Try PC-X500B」に付属しているのは説明書、そして各種ネジ、長いSATAケーブルが2本、そしてネジを収納できるプラスティックのケースです。

説明書は全て英語表記です。ただ、実際には12cmファンなのに説明書では14cmファンと書かれていたりと誤記があります。基本的にあまり説明書は精読しませんが、ひょっとしたらもっと誤っている箇所があるのかもしれないです。一言で言うと信頼できない説明書です(汗)

で、実際に組み込む前に組み込むパーツの紹介です。パーツ構成は電源をSeasonic SS-600HMに載せ換えた時と変わりないです。もちろんケースの引越しなのでケースは変りますが。


マザーボード「GA-P35-DS4 rev2」のヒートシンクにめり込んだCPUクーラーのヒートシンク
少し前のエントリーで 「Celeron Dual Core E1200」を「Core 2 Duo E7500(VT対応版)」を載せ換えた時に、LGA775のCPUクーラーを固定するプッシュピンが上手く嵌らなかった、嵌るのに苦労したと書きましたが、よくよく見てみたらマザーボードのヒートシンクに、CPUクーラー「ANDY SAMURAI MASTER」のヒートパイプがめり込んでいました・・・・・このためプッシュピンの角度がズレて、マザーボードの挿入穴に上手く嵌らなくなっていた訳です。

CPUクーラー「ANDY SAMURAI MASTER」は片側からのみヒートパイプが6本出ている構造なので、上下の向きを反対にしてヒートシンクと干渉しないようにします。

CPUクーラー「HR-01 PLUS」に付属のシリコングリースCore 2 Duo E7500(VT対応版)にシリコングリスを塗り直す
向きを変えるには一旦CPUクーラーを外すことになるので、ついでにCPUグリスを塗り直します。CPUグリスはCPUクーラー「HR-01 PLUS」に付属していたシリコングリースです。

CPUグリスを塗り直した後は向きを変えてCPUクーラー「ANDY SAMURAI MASTER」を取り付けて、そしてマザーボードも「Try PC-X500B」に取り付けました。この辺りの作業な別段難なくできますので割愛します。

「Try PC-X500B」に付属している単体スピーカー
ちなみにこれが「Try PC-X500B」に付属している単体のスピーカーです。スピーカーはケースから独立した単体のパーツになっています。

電源「SS-600HM」と「Try PC-X500B」のPSUブラケット電源「SS-600HM」を「Try PC-X500B」に装着
次は電源の取り付けです。「Try PC-X500B」の背面にネジ止めされているPSUブラケットを取り外し、電源にネジ止めします。電源とPSUブラケットを固定するネジはドライバーが必要ですが、ケースに装着して固定するネジはドライバレスのハンドスクリュー型のネジです。

電源とマザーボードを到着した「Try PC-X500B」の内部
ここで途中経過。マザーボードと電源を装着した状態の「Try PC-X500B」内部です。ここで気になるのは電源のサイズだと思います。
搭載している電源はSeasonicの「SS-600HM」で、サイズは幅150mm、奥行き160mm、高さ 86mmです。この奥行きであれば全く問題なく搭載できます。

もう少し奥行きが長いタイプの電源でも搭載できそうですが、「Try PC-X500B」のこの辺りの設計は空間にあまり余裕がなく、電源ケーブルをまとめたりするスペースがなくなってしまう可能性があります。
Seasonicの「SS-600HM」はケーブルが着脱可能なプラグインタイプですが、マザーボード用 24/20ピン電源コネクタ、CPU用の12V 8ピン電源コネクタ、ATX 12V 4ピン電源コネクタの3本のケーブルは固定式です。これでも電源ケーブルを上手く配線するのに中々頭を使いました。

プラグインタイプでない電源を搭載する場合は、かなり配線に苦労することになるのではと思います。

「Try PC-X500B」のHDDホルダー「Try PC-X500B」のHDDホルダーにHDDを装着
「Try PC-X500B」のHDDホルダーは電源の上と右側に1つづつあり、いずれも2基のHDDが搭載できます。HDDホルダーはケース本体からドライバレスで着脱ができます。

HDDホルダーにはHDDが発生する震動をケースに伝えないように防振パッドがネジ穴に嵌められています。HDDを固定するにはハンドスクリュータイプのネジを、防振パッドの穴に通して固定します。ネジは大きい径のもので回しやすく固定しやすいです。この辺りのメンテナンス性の高さは流石だと思います。

バルクのDVDドライブ「DVR-107」にレールとなるネジを装着光学ドライブに装着したネジを「Try PC-X500B」のレールに滑らす
光学ドライブの装着方法は、光学ドライブの下側の2つのネジ穴に「滑車」の代わりになる黒色のネジを取り付けます。反対側にも同様にネジを取り付けます。
このネジを5.25インチベイに内側にあるレールのようになった部分に滑らせて、光学ドライブを挿入します。

光学ドライブを「Try PC-X500B」に装着
位置を合わせて、ハンドスクリュータイプのネジで内側の方を固定します。反対側もハンドスクリュータイプのネジで固定することになりますが、フロントパネルの直ぐ裏側になりますので、手を入れるスペースがありません。ここはドライバで固定することになります。

ちなみに、光学ドライブの上にある穴から出ているケーブルの束は入出力端子のケーブルです。

PATAのケーブルがマザーのコネクタに届かず
光学ドライブを装着したものの、結局、光学ドライブとマザーボードを接続するPATAケーブルがマザーボードまで届きませんでした。下段の5.25インチベイに変更したり、PATAケーブルが最短距離で通るように工夫しましたが届かせるのは無理でした。

「Try PC-X500B」に搭載する光学ドライブはSATA接続の物にした方が間違いないでしょう。
ちなみにこの光学ドライブは「DVR-107」という相当古いDVDドライブです。今度SATAタイプに買い換えることにします。

パーツを装着した状態の「Try PC-X500B」の内部
一通りパーツを組み入れてケーブルを接続した状態の「Try PC-X500B」の内部です。このケースの特徴でもあるのですが、上部の電源、HDD、光学ドライブを収納する領域と、下部のマザーボードを設置する領域に分かれています。

パーツを装着した状態の「Try PC-X500B」の内部
配線はまだ適当なところもありますが、マザーボードが搭載されている領域はこんな感じになります。あまり配線に気を使わなくてもすっきりとしエアフローも良好そうです。

「Try PC-X500B」のバザーボードベース裏側の配線
「Try PC-X500B」は裏側配線ができ、マザーボードベースの裏側に配線はこんな具合です。ケーブルの収納や整理をちゃんとやっていない状態の写真ですが、ここからケーブルを整理してもサイドパネルを閉めることができませんでした。

原因は5.52インチベイから伸びる黒いケーブルの束、このケーブルはケース上部にある入出力端子の6本ケーブルでそれぞれが結構太いケーブルです。これを5.25インチベイからマザーボードベースの裏側に回し、左下の穴からマザーボード側に出して接続をしたのですが、これだとこのケーブルの束がサイドパネルと干渉してしまいます。

「Try PC-X500B」のバザーボードベース裏側の配線(改善後)
この6本のケーブルの束を、上下の領域を区切る板(上部領域から見ると電源やHDDホルダーが固定される床、下部領域から見ると天上)に空いた穴から通すように配線を変更します。
このように配線するとサイドパネルとの干渉が解消されてサイドパネルを閉められるようになります。

ちなみに右上のHDDホルダーから伸びる黒い2本のケーブルは「Try PC-X500B」に付属していたSATAケーブルです。このケーブルは長さに相当余裕があるので、ご覧の通りダラーンとした感じになります。

パーツを装着した状態の「Try PC-X500B」の内部
配線を整理した状態の「Try PC-X500B」の内部です。配線が上手くなくても裏面配線のお陰でスッキリとした配線にすることが出来ます。

パーツを装着した状態の「Try PC-X500B」の内部
マザーボード側の領域の拡大写真がこちらです。拡大すると配線の粗が目立ちますね。配線の上手い人であればもっとスッキリと綺麗な配線に仕上げることができるでしょう。

Lian LiのPCケース「Try PC-X500B」
フロントパネル、サイドパネルを装着して完成した「Try PC-X500B」です。折角なのでまたも温度比較をしてみます。

まずはケースを交換する前の温度です。
Core Tempで測定した「Core 2 Duo E7500(VT対応版)」の温度
計測したのは「SS-600HM」に換装した時です。Core0が39度、Core1が34度になっています。
なお、エントリーの日付に時間的なズレがありますが、実際には同日に測定をしています。


「Try PC-X500B」に引越し後に測定したCoreTempの温度
そしてケースを「Try PC-X500B」に換装した後に、StressPrime2004(SP2004)で負荷を1時間程掛けた後に測定した温度です。「Try PC-X500B」はファンコントローラーを内蔵しており、H(高速回転)、M(中速回転)、L(低速回転)の3段階で調整するこができますが、最も低速の「L」に設定しています。
結果的にはCore0が37度、Core1が32度と2度下がりました。もちろんグリスの塗り直しをしているので単純に比較は出来ないかもしれませんが、ある程度の参考値になると思います。


「Try PC-X500B」は12cmファンをフロント、リアそれぞれに2基づつ、合計4つの12cmファンを搭載しています。またファンコントローラーでファンの回転速度を調整でき、強力に冷却したい時は高速回転、騒音を抑えたい時は低速回転と設定することができます。

装着されている12cmファンは回転数1500rpmのボールベアリングファンで、騒音値等は公開されていませんが、個人的には低速回転でも気になる騒音レベルです。

また、「Try PC-X500B」のサイズは幅230mm×高さ585mm×奥行き380mmで、奥行きはかなり短いですが、かなり高さがありまた黒一色なので存在感と圧迫感が強くあります。

一方、メンテナンス性は相当に高いと言えます。ドライバ不要でHDDを換装したり、フロントパネル、サイドパネルを外したり、またファンフィルターも手入れがし易く、裏面配線も可能であり、随所にメンテナンスへの配慮が見られます。ただ、マザーボードベースが固定式である点が少々残念です。

個人的なケースを換装する目的は、省スペース化とメンテナンス性の向上だったのですが、省スペース化は達成できず、むしろ悪化することになってしまった感があります。この辺りは事前の情報収集が足りなかったと反省しています。メンテナンス性については大分向上し、特にファンフィルターが掃除しやすい点は非常に助かります。

もともと「Try PC-X500B」はゲーマー向け用途の色が濃いPCケースで、それがフロントの12cmファンで強力にグラフィックボードを冷却可能なところに現れています。グラフィックカードの冷却を重視したケースが欲しい場合は、「Try PC-X500B」を選択肢に考えても良いのかもしれません。

追記


「PC-X500B」の取扱説明書に記載されている「Mounting Bracket for SSI CEB/EEB」「PC-X500B」の取扱説明書に記載されている「Mounting Bracket for SSI CEB/EEB」
組上げた後で取扱説明書をよく読んでみると、「Mounting Bracket for SSI CEB/EEB」という部品が足りないことに気が付きました。
欠品しているのか、それとも12cmファンを14cmファンと書いてしまう説明書が間違っているのか、購入店のツクモネットショップに確認してみたところ、日本向けの「PC-X500B」には、日本では「SSI CEB/EEB」規格のマザーボードが一般的には流通していない為、代理店の指示で「Mounting Bracket for SSI CEB/EEB」はカットされているということでした。取扱説明書は全国共通なので記載があるだけということです。
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Comment

●参考になります

お久しぶりです。完成おめでとうございます。
前回と今回、写真多目で詳細且つ丁寧なレビュー、参考になります。
14cmファンの表記は気になってましたがやはり一般的な12cmファンでしたか。
静音ファンに換装する際、選択の幅があるので幸いです。
当方は机の下のデッドスペースに設置するつもりですが、
机上やメタルラック等の目立つ位置に設置となると圧迫感がありそうですね。
どん | 2009年12月03日(木) 00:31 | URL | コメント編集

●Re: 参考になります

>どんさん
再訪問ありがとうございます!
ちゃんと言いたいことが書けているか甚だ疑問ではあったりしますが(汗

12cmファンもそうですが、追記にも書いた通り説明書はあまり当てになりませんね。あとマザーボードベースが固定式だったというのも誤算でした。
もっとも説明書を読まなくても組めますし、MBベースが固定式でも組みやすいケースですが。

個人的には圧迫感は問題です。確かに奥行きが短くスリムなのですが、高さが高くて「これサーバかよ?」という印象があります。
目立たないように且つ使いやすい位置に配置しなければというのが当面の悩みです。
amatoboss | 2009年12月05日(土) 11:01 | URL | コメント編集

初めまして。
自分も50DとPC-X500で悩んでるのですが
X500のHDDの温度は下げてますか?

50Dと比べて少し高さが大きいですが
X500のエアフローは魅力的ですよね。

比べて50Dは窒息ケースっぽいですよね。

ツクモで39800円の時買っておけばよかった・・・w
まな | 2009年12月11日(金) 15:31 | URL | コメント編集

●ご訪問ありがとうございます!

まなさん

ご訪問ありがとうございます!
HDD温度については比較していないので分りませんが、SpeedFanで見ると3台のHDDが35度~37度辺りで推移しています。1ヶ月ちょっと使ってホコリが目に見えるほどダストフィルターに溜まっています(部屋がワンルームなのでホコリっぽい)。ちゃんとホコリの除去をすればもっと温度が下がると思いますので、中々冷却性はあるのではと思います。

50Dって窒息ケースなのですか?
D1と同じく12cmファンがフロント・リアともに付いているので冷却性は高いのではと思っていたのですが・・・

X500Bの個人的に欠点だと思うのは高さが高い、高過ぎることです。黒という色も加えて、これが圧迫感の原因にもなっています。それにHDDの搭載数が4つとちょっと心もとないですし。
自分が今買うんだったら50Dを買いますね。そもそもの目的が省スペース化だったのでX500Bは個人的にはその目的と果たすことが出来なかったというのが結論です。

ゲーム等でハイスペックなグラフィックボードを搭載するのならX500Bは魅力的かもしれませんが。
amatoboss | 2009年12月13日(日) 03:23 | URL | コメント編集

●どうもです。

レスどうもです。
HDDも冷えてるのですね。ますます欲しくなります。

私の場合、ゲームやりますから
ハイスペックなグラボが必要ですね。

フリーランスでデザインとプログラム等をやりながら株の売買しているので
PC長時間利用を考慮した上で50Dでは厳しいのかなと考えてしまいます。

X2000のようなケースなら机の下においても十分なのですが
X500では机上ですよね。やはり圧迫感が・・・

エアフロー的にはX500だと思っているのですがやはり50Dのようなサイズが好みなのですごく迷ってて、X500はもう販売終了品で品薄みたいですしX600が来年Q2で出るみたいですがX1000のようなデザインならいらないと思い、今週中にどちらか決めたいと思ってます。

私はabeeとLian Liのケースしか利用した事がないので他メーカーは分かりませんが
Lian Liに関しては物凄く考えて作ってるなと関心しきりですね。
まな | 2009年12月13日(日) 05:00 | URL | コメント編集

●Re: どうもです。

>まなさん

度々の閲覧ありがとうございます!
確かにまなさんのような用途ならX500Bは良いのかもしれませんね。

X600と50Dですか。個人的にはD50を推したいところですが、D1の使用感からすると前面の穴から音漏れが結構しますので、まなさんのように冷却性を重視するとファンを強く回すことになりますので、騒音が心配になります。
その点だとX600も前面メッシュになる(ですよね?)なので同じく音漏れをしようですが・・

奥行きを気にしなければabeeのMx系列もお勧めだと思います。X500Bもそうですが、奥行きは別にすれば高さがありますので、この高さ分を考えると普通のATX規格のケースとあまり遜色ない気がします。
amatoboss | 2009年12月18日(金) 02:26 | URL | コメント編集

遅くなってすみません。笑 実物を見てきてやはり
X500の圧迫感が気になったので50D購入しました。

知り合いに50D使いがいておまけにGTX295 SLIしていたので
温度とか聞いてみた所普通に冷えてるようですw

取り合えず仕事が始まるまでに組み立てようと思います!

組み立てたらスペックや温度などのレスをしますね。


本当に有難うございました><
まな | 2009年12月28日(月) 01:18 | URL | コメント編集

>まなさん
D50ご購入おめでとうございます!要望通りの性能を誇っていそうで良かったですね!
僕もちょうど先週末に秋葉原で色々とケースを見ましたが、D50はまんまD1のATX版といったルックスでしたね。それにX500Bに比べるとおとなしい存在感です。

X500Bはやはり圧迫感がかなりありますよね・・・(汗
目の前にあるとその圧倒的な存在感に少々ゲンナリしますよ(笑)

年末年始にD50で組上げるんですね。レポート楽しみにお待ちしています。
amatoboss | 2009年12月29日(火) 07:58 | URL | コメント編集

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