2008.06.02(Mon)
abee「AS Enclosure D1」の詳細レビュー(内部構造編) 2/2


『「AS Enclosure D1」の詳細レビュー(外観編) 1/2』に引き続き、今度は「AS Enclosure D1」の内部構造に迫ってみる。
上の写真が取り外したフロントパネルと、フロントパネルを取り外した状態の「AS Enclosure D1」。フロントパネルはネジを使わないプッシュロック式になっており、簡単に脱着ができる。
フロントパネルは5.25インチベイ、3インチベイ、スイッチ、LED、前面入力端子部(2つ目の5.25インチベイ)がポッカリと穴が空いている。
フロントパネルを再装着する際には、この穴にそれぞれのパーツに合わせて嵌めなくてはならない。特にスイッチとフロントパネルのスイッチの穴を合わせるのがコツ。
他のパーツ、例えば5.25インチベイを先に合わせてフロントパネルを嵌めてしまうと、スイッチが上手く穴に収まっておらず、フトントパネルに電源スイッチが押されっぱなしにということになりかねない。
電源ケーブルを指しっぱなしのままフロントパネルを再装着し、これに気付かずに電源オンオフを繰り返し慌てた記憶がある。フロントパネルを再装着する際は、電源ユニットのスイッチをオフにしておき、フロントパネルが電源スイッチを抑えていないことを確認してからオンにした方が良い。
右側の写真の12cmファンの上部にポッカリ空いた穴が、HDホルダ「HH-U2C」。HDホルダ「HH-U2C」を装着する前は、「オプションベイシールドパネル」で覆われており穴は空いていない。
HDホルダ「HH-U2C」を装着する前後の比較はこちらのエントリーに写真を掲載している。

「AS Enclosure D1」のフロント入力端子部分。以前に「AS Enclosure D1」をブラックではなくシルバーを選択した理由を「塗装が剥がれる」と書いたが、その塗装剥がれが目立つのが上の写真の赤く囲った部分。
先ほどフロントパネルの再装着方法で「電源スイッチから合わせる」と書いたが、そのように装着すると自然とフロントパネル上部から嵌めることとなり、上部を嵌めた状態ではフロントパネルは斜めになっている。その状態でフロントパネル下部を押し込んだ際に、入力端子の上部(赤く囲った部分)がフロントパネルの穴の端と多少擦れることになる。
これが繰り返されると、赤く囲った部分の塗料が剥げて来るという訳だ。シルバーであればほとんど目立たないが、ブラックだと相当目立ってしまう。実際に店頭で見たブラックは塗装が酷く剥がれてしまっていた。
塗装剥がれを防止するには、フロントパネル脱着の際には細心の注意を払ってなるべく擦れないようにするしかない。


フロントパネルを外すと防塵フィルタ付きの12cmファンが露出する。防塵フィルタは簡単に外すことができ、埃が詰まりを掃除することができる。フィルタの掃除がしやすいのは便利だ。


電源等のスイッチ類とLEDライト。ベース部分が鏡面仕上げになっているのは素朴に疑問を感じる。わざわざ鏡面にする必要も無いと思うのだが・・・・・エンブレムであまった部材を使っているのだろうか?
右側の写真が3.5インチベイのベゼル。ここにHDDを搭載することも出来る。


左側の写真がHDホルダ「HH-U2C」を装着した状態。ここにHDDを2基積める。上にも書いたが、通常は「オプションベイシールド」で覆われており穴は露出していない(装着前後の写真はこちらのエントリー)。右側の写真が別売りのベゼル「BZL525S-S」とその周辺。なお、上記の写真では光学ドライブは搭載していない。

「AS Enclosure D1」のトップパネルを外したところ。トップパネルを外すには、ケース背面の2つのネジ(ハンドスクリューに換装済み)を外し、やや後方にスライドさせてから持ち上げる。


フロントパネルは上の写真の通り。右側の写真の出っ張っている部分をケース側の溝に嵌める格好になる。
「AS Enclosure D1」のパネル全般にいえることだが、非常に固く嵌っており取り外すのに苦労する。固いのは理由があり、いわゆるビビリを防止する為にわざと固くなっているそうだ。
いくらビビリ防止とは言え、ここまで固いのは正直言って大変だし、いらぬ心配をする。別の方法でビビリ防止を施して欲しい。

右サイドパネルは、トップパネルと同様にケース背面の2つのハンドスクリューを外し、やや後方に引き出してから持ち上げて取り外す。これもやはり固い。
右サイドパネルを外した状態が上の写真。コンパクトに様々なパーツが納まっているのが見て取れる。
「AS Enclosure D1」はHDDをサイドのHDマウンタに立てて装着するというユニークな機構を採用している。


電源ユニットはケース底面に、電源の吸気ファンが上向きになるように装着する。右側がCPUクーラー付近。CPUクーラーは「HR-01 PLUS」というやや大きなものでファンが、HDホルダ「HH-U2C」と干渉してしまうため、ファンは「HR-01 PLUS」の後ろ側に装着してある(CPUクーラーと「HH-U2C」との距離はこちらのエントリーの写真が分かり易い)。
HDホルダ「HH-U2C」はCPUクーラーと干渉する可能性があるため、注意が必要。「HR01 PLUS」はサイドフロー型でやや細い筐体であるため、ファンの装着位置を変更するだけで済んだが、トップフロー型のCPUクーラーは幅があるものが多いので、よくよく確認をした方が良い。


HDDマウンタを取り外すには、HDDマウンタ右側の2つネジ(右側の写真の赤く囲った箇所)と、ケース背面の2つのネジ(左側の写真の赤く囲った箇所)の合計4つのネジを外す必要がある。
わざわざ赤く明示したのは、「AS Enclosure D1」オーナーズマニュアルにはどのネジを外せば良いのかが明記されていなかったため。初めは見当違いのネジを外してしまった。


左サイドパネルを外すと、マザーボードトレーを外すことが出来る。マザーボードトレーは右側の写真の4つのネジを外すのだが、残念なことが2点ある。一つがネジがハンドスクリューネジに換装できないこと。パーツ交換をする際にはマザーボードトレーを外すことになるので、ドライバーが不要になるようにここもハンドスクリューネジに換装できるようにして欲しかった。
もう一つが、マザーボードトレーのネジ穴とケース側のネジ穴の位置が合わせ辛いこと。位置合わせがし辛くマザーボードトレーを装着する際に、ネジ穴を舐めてしまいそうになる。正位置に簡単に合わせられるような工夫が欲しかった。
右側の写真がマザーボードトレーを外したところ。abeeのケースは全般的にケーブル類が非常に長いが、その長さがここで生きて来る。マザーボードトレーを外しても殆どのケーブルを取り外す必要がない。唯一外したのはリアファンのケーブルのみだ。


左側の写真がマザーボードトレーを外した状態。ほとんどのケーブルは接続されている状態だ。ケーブルの再装着は意外と面倒なので、これは大きなメリットと言えるのではないだろうか。「AS Enclosure D1」はコンパクトな筐体の割には作業がしやすい内部になっているが、それでも大型のCPUクーラーやVGAカードを装着した状態では内部で作業がし易いとは言えない。実際にCPUクーラー「HR-01 PLUS」を装着した状態だと、このありがたさが分かる。
右側の写真がヘッダピン。ケースに一般的にあるPower、Reset、Msg、HDD、Speakerの4つが刺さっている状態。なお、ヘッダピンのケーブルは初めから捻られた状態。

「AS Enclosure D1」のフロントオーディオケーブルは、「AC'97」と「HD AUDIO」が分岐したものが採用されている。これはマザーボードによって片方しか対応してないものがあるためだろう。

ケース内側から見たフロントファン。ファンは12cmで、abeeのページによるとボールベアリング採用で1000rpm(±10%)。
低回転のファンであるので騒音は気にならないレベル。内部のパーツによってはより風量が稼げるものに換装するのもありだろう。
以上で「AS Enclosure D1」のレビューは終わる。中々厳しいことを書いたが全体的に満足度が高い。
「AS Enclosure D1」はMicroATX規格のケースの中ではコンパクトな筐体とメンテナンスのし易さという相反することが、相当に高いレベルでバランスよく実現できていると思う。
ただし、3万円弱という実売価格からすると、2つのエントリーで書いた通り、もう少し頑張って欲しいというところがある。
「AS Enclosure D1」の後継機となる「AS Enclosure D2」かそれとも別の名前になるのかもしれないが、是非改善してより意欲的なケースをリリースして欲しい。








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